結論から言えば失敗すると思う。
理由としては、絶妙なバランスで成り立っている馬体構造にある。
ディープインパクトの後躯は、尻から臀(でん)にかけて鋭く切れ下がっておりこれにより後躯の深い踏み込みを可能としている。深い踏み込みは、蹴りだす力が普通より要求されるため良質な筋肉を持たない馬にとっては負担が大きい。それに切れ下がっているぶん後躯の面積が小さくなるので筋肉量は少なくなり極端に走らない要因となりえる。
その後躯に良質な筋肉が目一杯ついていたディープインパクトが例外的と考えるのは自然だろう。
これに440kgそこそこの小さめの馬格がマッチした結果、飛んだと表現される爆発的な末脚を発揮できるに至ったのだと考えている。理想的な馬格とされる470kg台だったら、あの爆発力はなかったかも知れない。
これらの特長が日本の軽い芝が完璧に適合したため、ディープインパクトは最強の名を欲しいままにできた。
失格となってしまったがフランスに遠征した凱旋門賞では、力のいる深い芝が合わずいつもの爆発力が陰を潜めたことから欧州で走ってたら超一流の活躍は望めなかっただろう。
深い踏み込みに充実した後躯があったからこそ生きた440kgの小さめの馬格。
この絶妙なバランスがディープインパクトが日本で最強だった所以であり、これらの特長が全て仔に遺伝すればサンデーサイレンスの最良後継となれるはず。だが、これらが上手く伝わると考えるのは感傷的すぎるし現実味がない。
ディープインパクトは、仮にも繁殖に恵まれたサンデーサイレンス系。そこそこ走る馬は出すだろう。だが、それ以上に凡馬を量産する危うさを内包している種牡馬である。
値段を考えたら失敗する可能性の方が高いと思う。

